現代美術の、これ以上ないと思われる入門書でしょうか
「優れた児童書ほど大人が読むものです」と、あとがきに登場する方が言っておられるように、この本は現代美術に興味を持ち始めた大人のための内容といっても差し障りないと思われます。NHKの「週間こどもニュース」を大人が見ているように、現代美術を理解するのにこれほど平易に書かれている本はないのではないでしょうか。
とはいえ内容が易しいわけでもなく、登場する画家の数も限られています。すべて明快な答えが提示されているわけでもありません。しかし、だからこそ現代美術であり、そのあたりをもったいぶった言葉で煙に巻いたりごまかしていないところにこの本の良心的で奥深いものを感じることができると思います。
「中・高校生」ではなくても
ある美術館で現代アートのコーナーで退屈し「どうして、こんな線の集合が面白いんだろう」と思った後、そのミュージアムショップで偶然手に取った本です。教科書的に単なる画家の紹介に終わらず、その思想的な背景や社会的コンテクストまでやさしく紹介している点に好感が持てました。こまごまとした知識ではなく、現代美術の根幹の部分の考え方に興味がある方におすすめの本です。私自身、芸術方面専門ではないので、絵画がどうしたこうしたというようなことよりも、もっと思想的な部分に興味があったこともあり、大変楽しく読むことができました。 「中・高校生のための」とタイトルにあるように、美術の分野に知識のない私などには読みやすい本でした。しかし、決して「中・高校生」の知的レベルに合わせて書かれているわけではありません。文章のスタイルは「中・高校生」フレンドリーですが、内容は大学生、またはそれ以上でも十分満足できるものだと思います。思想には興味があるけど、芸術関係のことは今まであまり読んだことがない、そのような方にお勧めの本です。
平凡社
現代アート入門の入門 (光文社新書) 現代絵画入門―二十世紀美術をどう読み解くか (中公新書) アート・リテラシー入門―自分の言葉でアートを語る (Practica) カラー版 20世紀の美術 現代美術を知るクリティカル・ワーズ
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